為替差益を狙って資金を増やす「FX」は、投資や資産運用の選択肢として注目を集めています。少額から始められ、24時間取引ができる機動性や、金利差を受け取れるスワップポイントなどが魅力です。しかし、レバレッジによって損失も拡大しやすく、相場変動や金利・ロスカットなどのリスクもあります。
そこで、この記事では、FXは資産運用に該当するのかといった疑問や、取引における魅力・リスクをわかりやすく解説します。
FXとは?
FXとは、米ドルやユーロ、円など各国の通貨を売買し、為替レートの変動や金利差で利益を狙う投資手法です。株式のように企業価値ではなく、「通貨同士の相対的な値段」の上下を取引対象にします。
ただ、実際に通貨を用意するのではなく、一定の担保を預け入れて、大きな金額を取引するのが一般的です。これにより、少額資金でも効率よく資金を動かせます。
取引時間は、平日ほぼ24時間、世界の市場が順に開いていきます。東京、ロンドン、ニューヨークの時間帯で流動性や値動きの特徴が変わります。
現物の外貨預金とは異なり、FXはレバレッジを活用でき、売りからも入れるのが特徴です。
FXは資産運用に該当するのか
結論としては、FXは資産運用に該当します。ただ、レバレッジを伴う投資であり、プラスにもマイナスにも転じやすい点が特徴です。為替レートの変動や金利差などで収益を得るため、株式や債券とは値動きが異なり、分散投資の一部として運用することも可能でしょう。
とはいえ、あくまでもFXは「資産を増やすためにリスクを取ってリターンを狙う行為」です。そのうえ、損失も増えやすい運用方式であることを頭に入れたうえでチャレンジする必要があります。
FXにおける取引の魅力
そもそも、FXにはどのような魅力があるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
ここからは、FXが注目を集める要因となっている「取引の魅力」について解説します。
少ない資金で大きな金額を運用できる
FXにおける取引の魅力として、まず挙げられるのが、資金が少なくても大きな金額を運用できる点です。
FXは証拠金を担保にレバレッジをかけて取引します。たとえば10万円の証拠金でも、数百万円相当のポジションを保有でき、資金効率よくリターンを追いかけられます。
一般的な株式投資であれば、基本的に手持ちの資金で運用を行うものです。大きな金額を運用するには、その分手元の資金も十分でなければなりません。
そのため、多くの資金を確保することが難しい方であっても、攻めの運用をしやすいといえます。
買いだけではなく「売り」からも始められる
FXでは価格が上がると見れば「買い」、下がると見れば「売り」から入れます。そのため、上昇相場でも下落相場でも取引の機会があるのが特徴です。
売り建ては初心者には敷居が高く感じる…といった方も少なくないものの、通貨は常にペアで取引します。「片方を買い、片方を売る」という仕組み上、無理なく実現できるのが魅力です。
取引時間が24時間
FX市場は月曜早朝から土曜早朝までほぼ24時間開いており、仕事後や早朝など生活リズムに合わせて取引しやすいのが魅力です。「東京」「ロンドン」「ニューヨーク」と市場が時差で開くため、流動性や値動きの癖が時間帯によって変わります。
重要指標発表や要人発言も各国の営業時間に合わせて行われるため、経済カレンダーを活用し予定に沿って準備できるでしょう。
FXを始める前に知っておきたいリスク
FXを始めるにあたって、あらかじめ知っておきたいリスクがあります。資産運用の方法としてチャレンジしようと考えている方は、以下のリスクを把握しておきましょう。
レバレッジリスク
FX特有の「レバレッジ」は資金効率を高める一方、損失も同じ倍率で拡大させるといったリスクがあります。わずかな為替の振れでも証拠金に対して大きな評価損が発生するのです。
特に経済指標や要人発言の直後は、さまざまな影響により、想定より不利な価格で約定することもあるため注意しましょう。
ロスカットリスク
ロスカットとは、口座の維持率が一定水準を下回った際に、ブローカーが自動的に強制決済する仕組みです。資金保全のための仕組みですが、急変時には連続約定で想定より不利な価格になり、損失が拡大する可能性もあります。
ロストカット水準や計算方法、必要証拠金の増減条件を事前に把握し、維持率の余裕を確保することが重要です。
金利変動リスク
FXは、各国の金融政策やインフレ率の変化により、金利差が変化します。受け取りを前提としていたにも関わらず、支払い側に陥る可能性もあるでしょう。
スワップ目当ての長期保有では、金利サイクルや中銀会合のスケジュールを確認したうえで、リスク相殺の方法について考えることが重要です。
おわりに
今回は、FXの特徴や取引の魅力、リスクなどについて幅広く解説しました。少額から始められたり、24時間取引できたりする魅力がある一方、さまざまなリスクがあることも覚えておく必要があります。
ぜひ、FXに興味のある方は、本記事を参考にしながら、自分のペースでFX取引を始めてみてはいかがでしょうか。