
老人ホームの経営や現場担当者にとって、深刻な問題であるのが害虫の問題ではないでしょうか。衛生や清潔が求められる老人ホームにとって、害虫の存在はさまざまなトラブルを招くものです。
入所者やスタッフの健康被害につながる恐れもあるため、害虫の予防や発生した後の対策は徹底的に行わなければなりません。
そこで、今回は老人ホームの害虫駆除において、知っておくべき衛生管理や食中毒リスクなどについて詳しく解説します。
老人ホームの害虫駆除|必要な衛生管理3種類
一口に「衛生管理」といっても、大きく3種類が存在します。それぞれの衛生管理について見ていきましょう。
施設の清潔さに関する管理
老人ホームにおいて「清潔であること」は重要なポイントです。清潔さ次第で入所している方の健康リスクが左右されるうえに、過ごすうえでの快適さやストレスなどにも関わるからです。トイレや入浴設備といった水回り、食堂などはとくに汚れやすい部分であるため、日頃から衛生面を意識して管理する必要があります。
飲料水の管理
飲料水として使用する水道水は、安全基準を満たしていることが大前提です。しかし、害虫や害獣の被害によって、飲料水の安全性が損なわれてしまうケースが少なくありません。
高齢者の場合、免疫力や体力面などの問題で、ウイルスや細菌による感染リスクが高めです。そのため、通常よりもとくに飲料水の安全性を守っていく必要があります。
入浴設備に関する管理
老人ホームの入浴設備は、高齢者の健康を守るうえで必須の設備です。安全な水道水を使用できることはもちろんのこと、浴槽などが清潔で、害虫・害獣による被害がない状態が望ましいとされています。
入浴設備は直接肌が触れる部分であるため、ウイルスや細菌などが付着しやすく、高齢者の健康被害に影響する可能性があります。
高齢者が安心して入浴を楽しめるように、床や浴槽、シャワーヘッド、椅子などは清潔な状態にしておきましょう。
害虫リスクに伴う「老人ホームの食中毒」について
老人ホームの衛生管理において、知っておくべきなのが食中毒リスクです。さまざまな原因で食中毒が生じてしまううえに、「集団食中毒」として被害が大きくなるため、根本的な部分から対策しなければなりません。
ここからは、老人ホームにおける食中毒について解説します。
食中毒には複数の発生原因がある
一口に「食中毒」といっても、発生原因はさまざまです。たとえば、サルモネラ菌などの細菌が原因となる「細菌性食中毒」や、有害な化学物質・自然毒による「化学性食中毒」などがあります。
また、一般的によく知られているウイルス性食中毒は、ノロウイルスなどが原因で引き起こされるものです。
いずれも、菌やウイルスなどが関係しているため、調理工程の安全を確保することはもちろんのこと、使用する器具も清潔にしておく必要があります。
ウイルスの付着や増殖を徹底的に防ぐ必要がある
食中毒を防ぐためには、ウイルスや細菌が食品に付着したり、増殖したりしないように徹底しなければなりません。食中毒のほとんどは、食品に付着したウイルスや細菌などが原因であるからです。
調理担当者の手指を清潔にしたり、器具を殺菌消毒したりするなど、ウイルス・細菌対策を徹底しましょう。
食品の加熱が求められる
食中毒の多くは、十分な加熱によって防ぐことが可能とされています。とくに、生の肉類にはサルモネラ菌が多く潜んでいます。そのため、中心の温度が75度以上の状態になるよう加熱することを心掛けてください。
高齢者に対し、肉類を生食で提供することは控え、十分に加熱しておきましょう。
老人ホームの害虫駆除はどうしたらいい?
老人ホームに害虫が発生してしまった場合は、原則として専門の駆除業者に依頼することをおすすめします。知見やノウハウ、技術がある駆除業者に依頼することで、現段階で発生している害虫を駆除できるうえに、再発を防ぐことにもつながるからです。
スタッフが自己判断で対応してしまうと、十分に駆除ができなかったり、被害が大きくなったりする恐れもあるでしょう。
むやみに施設内で対応することは避け、安心して依頼できる駆除業者に相談してください。
おわりに
今回は、老人ホームにおける害虫駆除や衛生管理などについて解説しました。高齢者の入所者が多い老人ホームにとって、害虫問題や衛生問題は重要なテーマです。きちんと対策をしておかないと、入所者やスタッフの健康被害に発展してしまうため、適切な管理体制が求められます。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしながら、今一度施設内の衛生管理や、害虫の被害状況について見直してみてはいかがでしょうか。




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